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2007年2月21日 (水)

「芸術起業論」読みました。

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アーチスト村上隆氏が書いた、いわゆるアーチストとして海外に打って出る戦略を、自分の体験を交えて説いた本。

まあ、ちょっと鼻持ちならないところもありますが、一理あるところも多々あり。以下印象的なところ抜粋。

「日本の美術大学は生計を立てる方法を教えてくれません。美術雑誌にも生き残る方法は掲載されていません。なぜか?ここにも理由はちゃんとあるのです。美術雑誌の最近数十年の最大のクライアントは美術大学受験予備校、そして美術系の学校です。大学や専門学校や予備校という『学校』が、美術雑誌を支えているわけです。金銭を調達する作品を純粋に販売して生業とする芸術家は、ここでは尊敬されるはずがありません。これは日本の美術の主流の構造でもあるのです。」

「日本では好き嫌いで芸術作品を見る人が大半ですが、これは危険な態度です。主観だけで判断するなら、目の前にある作品の真価は無に等しくなってしまいます。主観だけでは、わかりやすいもののみを評価することになってしまいます。それは時代の気分やうわさ等、不確定なものによって揺れ動く状態での判断になるからです。客観で歴史を作ってゆく欧米の文脈からはかけ離れてゆきます。欧米の美術の歴史や文脈を知らないのは、スポーツのルールを知らずにその競技を見て、『つまらない』とのたまうことと同じなんです。」

「西洋の芸術の世界の言葉で作品を伝えきれているのかどうかは、世界に挑戦するなら常に意識すべきです。ぼくは自分の原稿の翻訳をしてもらう人の選択をとてもセンシティブに行っています。そうすることで主張を海外にちゃんと伝えているのです。」

「ジョージ・ルーカスは、未来につながる方法で、映画を作っています。マネジメントをしっかりする。手仕事は徹底した分業とする。好き嫌いの判断だけを言えるような位置に自分をおいておく。これは直感を温存できるいい方法です。」

「茶道や華道で作法をわきまえない行為が否定されるように、西洋の美術の世界でルールをふまえない自由は求められていません。不文律をわきまえた独創性が求められていることは明らかです。」

結局のところ、欧米の「芸術の文脈・ルール」を理解し、その文脈・ルールにのっとって「作品」を作り、逆輸入で日本に帰ってくるという道を目指せと説いている。

ふ~ん。作品が売れて、いろんな人からやっかみを受けて苦労してるんでしょうねえ。ちょっとグチっぽく聞こえるところもありますが、傾聴には値するのではないかと思います。一読の価値はあり。


 

芸術起業論 Book 芸術起業論

著者:村上 隆
販売元:幻冬舎
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